いよいよ旅も中盤に差し掛かり、疲労も溜まってくる頃です。
出来ることなら、3日くらい観光して、2日くらい日本で休んで、また観光という
3観2休くらいのペースが望ましいところなんですけど。
そうもいかないので、闘魂再注入です。

ローマのこの宿とも今日でお別れなので、洗濯して乾かしておいた下着や服を取り込み、
圧縮袋に詰め直してグルグルと空気を抜きます。
これしないと、スーツケースに収まりきりません (^^;
そうそう、昨夜サッカー観戦から帰室したら、ドアの下に領収書と心のこもった手紙が差し込まれていました。
手厚い心配りに感謝し、3日目の枕銭と鍵と借りていた携帯を置き、部屋を後にしました。
次にローマに来たときにも、また泊まりに来たいですね。
外に出ると、あっという間に駅に到着。

また来るよ!ローマ
さて、ここからが少々厄介なんですね。
一言で言ってしまえば、イタリアの新幹線に乗ってフィレンツェに行く。
これだけのことなんですけど。
先ずは、予定発射時刻の40分ほど前に駅に入りました。
日本だったら、初めての駅なら10分前くらいからちょっと焦るかもしれません。
でも、ココはイタリア。不測の事態が山ほど待っているはず。
ローマ テルミニ駅は、構造自体とっても単純です。
「TERMINI」の文字通り、ターミナル、終着駅の構造なんです。
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こんな感じ。22番線までずらーっと同じフロアに並んで停まります。
だから、手前に居ると電車がずらっと眺められます。
最後尾だとちょっと大変ですが、あっ!ホーム違った!なんて階段上がったり降りたりは要りません。
本当なら分かり易くて楽なはずなんですけどね。
何が大変かって、目的の列車が入ってくるホームが、結構直前にならないと決まらないんです。
だから、電光掲示をしっかり見ていないと、えらいことになります。
それを踏まえて、とりあえず慌てないように少し早めに駅に入って、
少し様子を見て慣れようという訳です。
時間があるので、これから乗るフレッチャロッサの写真でも。(この車両に乗る訳ではありません)
赤い矢って意味です。カッコいいね。

これからフィレンツェに向かう列車は、ここを 9:46に出発です。
電光掲示板を見ると・・・あれ? 9:46出発の予定がありませんよ?
もしかして、遅延?でも、遅延の便は表示が出てるし。
あら、、なんだかちょっとヤバイ気がしてきた。
ローマ → フィレンツェ の表示がないと慌てて気が付いた。フィレンツェは途中の停車駅だから、
表示の行き先じゃないんだ。
それっぽい行き先としてはトリノがあるけど、トリノってミラノの先にあるんだっけ???
慌てて調べているうちに刻々と時間が過ぎていきます。
たぶん、ローマ → フィレンツェ → (ミラノ) → トリノ なんだな。
でも、そのトリノ行きの出発時間は近いとはいえ 9:45だし、そもそも何番ホームか表示がない。
この時点で 9:30を過ぎていたので、切符買い直しの選択も含めて駅員を探してみます。
それがなかなか居ないのよね。
ようやくそれっぽい人を見つけて、予約を印刷したバウチャーを見せながら
「Da che binario?」(何番線から?)
と訊いたら、端を指差し「uno!」と言ったような気がして、1番線へ向かいます。
1番線の車両のドアのところにも駅員が居たので、バウチャー見せて
「Questo treno?」(この電車?)と訊いたら「Si!」と言うので飛び乗りました。
いや、飛び乗ると言うよりは、イタリアの電車はホームがレールの高さくらいなので、
3~4段の階段を荷物持ち上げながら登るって感じです。
で?ホントにこの電車でいいの?なんて思っていたら、アナウンスも無く走り出しました。
まーなるようになるべ。
とりあえず1等の席を取っていたので、2等の4両分くらいを延々歩き、予約の車両へ。
1列シートに座ってひと息つきました。1列はいいねぇ。この電車じゃないかもしれないけど。。
しばらく走るとなんかアナウンスが聞こえてきて、フィレンツェとかトリノとか言ってるので、
たぶん大丈夫なんじゃないかな?ナポリの方には向かっていないようだし。
またしばらくすると、車掌さんがまわってきましたので、
「Buongiorno!」と冷静を装いつつ、くしゃくしゃになったバウチャーを見せました。
二次元バーコードを読み取ると、頷いて行ってしまいました。
嗚呼、この電車で当たりだったようです。ようやくホッと出来ました。
遅延無く出発したようではありますが、発車予定時間違うのは困りますね。
さて、改めて乗車した欧州版新幹線 ユーロスターですが、イタリア語読みでは エウロスター。
3種類あるのかな?
「赤い矢」と言う意味の Frecciarossa(フレッチャロッサ)は最高速度300km/hで、
「銀の矢」と言う意味の Frecciargento(フレッチャアルジェント)は最高速度250km/h、
「白い矢」と言う意味の Frecciabianca(フレッチャビアンカ)は従来路線を最高速度200km/hで走ります。
その赤い矢の方の一等車の座席は、1列+2列の余裕のある3列構成で、中ほどの幾つかの席は
真ん中にテーブルの付く対面です。知らぬ外人(どっちがって話で)と向かい合わせになるのは
気まずいな~と思っていたら、対面じゃない1列席だったので、すごいゆったり。
吹き出た変な汗を拭きながら、座り心地のいい席に寄りかかっていると、
どうもリクライニングの機能がないようです。若干寝てるのでちょうど良いのはいいんですけど。
しばらくすると、車内販売らしきワゴンを押したイタリア紳士がやって来まして、
「何か要りますか?」と言うので、「いやいや結構ですよ」とお断りしたのですが、
しばらくして気が付いた! 一等はお菓子のようなものと飲み物がサービスだったんだ。
また来たら頼もうと思っていたら、以降やって来ることはありませんでした。。。
ぼんやり車窓を眺めていましたが、流れるのは「世界の車窓から」
トスカーナの牧歌的な風景は、写真を切り取ったような美しさです。
ゴテゴテしてないんですよね。緑の丘陵に、建物の色調が統一されていて、
廃屋までも風景に溶け込んでいます。
1時間半程度の列車の旅。癒されましたね。
途中、ローマで買っていたガゼッタ・デロ・スポルト誌で昨日の試合を復習。
日本のサッカー専門新聞でエルゴラッソと言うピンクの紙面の新聞がありますが、
その本家みたいなスポーツ新聞です。
大逆転負けを喫したASローマに対しては、やはり厳しい論調ですね。

GPSで眺めてたら、もう少しでフィレンツェ。乗り越したら大変なので、早めに支度。
フィレンツェもやはりターミナルの駅なので、頭から突っ込みます。
ミラノに向かっては、逆向きで走り出す訳ですね。
回転しない座席だから、それはそれでアリなのかな?

楽しかったよ、フレッチャロッサ。
さて、駅から出てどうしようかと。
宿に入ろうかとも思いましたが、まだ 11:30ですし、雨予報だったけど気持ちの良い好天。
二階建てバスでひと回りしてみましょうか。
駅前の売店で24時間 15ユーロのチケットを購入。
ちょうど駅前の乗り場に着いたバスの二階に乗り込みました。

このバスにはオーディオガイドがついてますので、イヤフォンを挿してチャンネルを合わせるのですが、
7chにしても聴こえるのは中国語。
まさかねと、8chにしたら日本語のガイドが聴こえました。そんなものでしょう。

出発してしばらくは広めの道を走っていたのですが、途中から狭い道を走り始め、
路駐や歩行者も多いので、結構ヒヤヒヤものです。

その分、裏通りを歩いてる感覚で、手を伸ばせば建物の壁に触れることが出来るようです。
それになんと言うんでしょう? 2012年の景色じゃないですよね。
ローマも圧巻でしたが、フィレンツェはまた違う落ち着きと統一感を感じます。
オーディオガイドは、景色に見とれていると何時の間にか聴こえなくなってたりと、
これもまた”らしい”感じなのですが、そもそも街の中央を通らないので、
めぼしい観光スポットを周らないためにガイドの内容もイマイチ淡泊だったりします。
市街地の中心を外回りし、そこからアルノ川を越えて坂を上り始めます。
次第に冷たい風が強くなり、薄手のダウン程度では寒さをしのげないくらいになってきました。
そんな中でも半袖で写真を撮りまくる欧州ご婦人は元気です。
ひとしきり坂を上りきり、しばし停車したのはミケランジェロ広場。

街を一望できる景観の素晴らしさは、写真じゃ伝わりきらないですね。
茶色の屋根の統一感、ドゥオーモと鐘楼の美しさは、これぞフィレンツェです。(初めて来たけど)
しかし、寒さはこの時点でピーク。
震えながら、早く麓に降りてくれーと。
でも、1階に下りればいい話だったんですよね (^^;
そこから坂を下り、アルノ川を渡る際に見ることが出来たのが、ベッキオ橋。

「ヴェッキオ」とは「古い」という意味で、「古い橋」というひねりも何にもない
フィレンツェで最古の橋だそうです。
歩行者専用の石畳の両側に宝飾店の並ぶ観光スポットです。
パッチワークのような色彩が可愛いですね。
ここからさほどかからず出発地点のサンタマリア・ノヴェッラ駅に到着。
いやー寒かった。
すっかり体ガチガチだし、お昼時間も遅くなりそうだったので、
駅前からタクシーに乗って街の中心にあるホテルへ向かいました。
【本日前半のトラブル】(5段階評価)
・高速鉄道乗車に失敗しかけた(4)
・寒い日の二階建てバス(2)
【対策】
・電車の出発ホームは10~15分前にならないと確定しないので、注意深く掲示板を見ておく。
・途中の駅で降りるときには、到着地まで調べておく。
・二階建てバスの上は結構寒いので、地上にいるときよりも厚着する。
・そもそも、フィレンツェではバス観光はいらないかな。